2015年に骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインが発刊されてから3剤の新薬が上市され、顎骨壊死検討委員会や米国骨粗鬆症財団等が新たな提言をまとめたこと等を踏まえ、10年ぶりの改定となりました。新規の薬剤はいずれも高評価で、特にロモソズマブ(商品名;イベニティ)については一際高い評価がされました。原発性骨粗鬆症の診断においては、副甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病(CKD)や慢性閉塞尾性肺疾患(COPD)等による続発性骨粗鬆症を鑑別することの重要性が改めて示されました。また動脈硬化症や2型糖尿病や慢性腎臓病における骨折リスクについても記載されています。薬物療法については、米国骨粗鬆症財団等が骨折歴や骨密度検査結果によって推奨する薬剤を例示して3年以内に骨密度を70%以上にすることを目標として掲げており、日本でも同様に治療目標を定めて薬剤を選択することとなります。
当院では骨粗鬆症検査として最も精度が高いDEXA(デキサ)法の検査機器を用いており、治療薬剤は錠剤(月1回、週1回、毎日)や注射剤(年1回、半年に1回、月1回、週1回、週2回、毎日)を取り揃え、患者さんの状況に応じた治療法を提案するよう心掛けています。保険診療の他に東温市の骨粗鬆症検診の実施医療機関にも指定されていますので、骨折歴のある方や骨粗鬆症が気になる方はお気軽に担当医にご相談下さい。
整形外科 中田 浩史
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