当院の抄読会に使用した論文の一部です。2024年9月に「目標設定型の治療指針」が米国の骨代謝学会と骨粗鬆症財団からステートメントとして発表されました。その論文から2個の図表を引用して図表を作成しました。
これは骨密度の低下した閉経後骨粗鬆症の患者さんの骨密度をTスコア-2.5以上(YAM値70%以上)にあげましょう。しかも3年間に50%の患者さんが達成できる治療が望ましいと述べています。
使用する薬剤によって骨密度増加効果が異なり、また逐次療法によっても効果が異なります。患者さんの状態に応じた薬剤の選択を示しています。骨密度が低下するほど骨折しやすいこと、一旦骨折すると2年以内に再骨折の危険があることが根拠となっています。
これは治療アルゴリズムです。骨折既往の有無、骨密度によって治療薬剤の選択を提案しています。
抄読会のディスカッションでは、
・日本人の目標設定型の治療指針ではないこと
・治療アルゴリズムによって画一的な治療になる懸念があること
・様々なRCTおよびそれらのメタ解析によって導かれた結論であるが、RCTで検討されていない薬剤は選択の土俵から外れていること
・Ca剤やVD3はサプリメントの位置づけとなっていること
など抄読会で様々な意見がありました。米国のこのステートメントは治療方針の決定に参考になると思われます。今後、本邦のステートメント、ガイドラインなどに注視していきましょう。
2025 年4月
タグ: 骨粗鬆症, osteoporosis